日本政策金融公庫の「創業に役立つコラム」は、胸に響くものがあります。
今回は、「事例に学ぶ!成功の秘訣」「失敗事例に学ぶ~商品・サービス編~」を紹介します。
以下、本文そのまま
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「何をしてきたかと同じくらい、何をしてこなかったかを誇りたい」
アップル社創始者スティーブ・ジョブズ氏の言葉です。
創業を考える際、あれもやってみたい、これもやってみたいと、次々と夢が膨らんでくるものです。その湧き上がる強い思いこそが、創業を実現させる原動力にもなります。しかし、勢いに流され、あれもこれもと手をつけることは失敗につながります。一度立ち止まって、自らの「商品・サービス」(=売り)は何なのかを客観的に見つめることも重要です。
創業の相談でよくある話を紹介します。例えば飲食店の創業において。
「売り」とするメニュー(商品)を決めて準備を進めていたとしても、オープンが近づくにつれ、メニューの種類を少しでも増やせないかと考えるようになります。豊富である方がより多くのお客さまに来てもらえるのではないかという思いからでしょう。しかし、数多くのメニューを提供しようとすると、「売り」のメニューが目立たなくなる恐れもありますし、また、経費等の面でも余計に負担がかかることにもなります。
これらをよく考えずに、ただ闇雲にメニューを増やそうとすることは、商品(料理の味)やサービス(提供時間)の質の低下をもたらし、結果、お客さまに十分な満足を与えることができなくなってしまうのではないでしょうか。
何かをしないという決断は、何かをすることよりも不安がつきまといます。しかし、今一度、自らの「商品・サービス」を見返してください。
「売り」とするものをよく吟味し、限りある経営資源(人、モノ、金)を有意義に投入することは、事業を成功に導くためには大切なことなのです。
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本文を経営用語で解釈すると、「選択と集中」という言葉があてはまると思いました。ジョブズ氏は立場上でもスキルでも、ほんとうに色々なことにチャレンジできた人でした。目の前にある多くの事業からいくつかをを選択して成功・・・多くの人から賞賛を浴びています。
さて、一般的な人が創業するとなれば、ジョブズ氏のような事業を選択するなどというのは夢のまた夢。せいぜい、自分ができることの中からたった一つだけを選択するようになるはずです。
文中では、飲食業を例示していますが、ここでもメニューのラインナップの選択をする必要が出てきました。京都の料亭で修行していた料理人なら、食材だけを仕入れてお客様の要望に応じた料理を提供することが可能かも知れません。でも、多くの場合、そんな器用なことはできません。やはり選択に迫られます。つまり、経営はいつも選択を迫られるわけです。それっぽく言えば「意思決定」です。
意思決定で必要なことは、結末を予想できること。良い結果(悪い結果)を予想すれば、選択すればいい(選択しなければいい)訳です。理屈は簡単!当たり前のことを言っているように聞こえるでしょうが、案外盲点なのです。
創業後、順調な方は、良い結果(悪い結果)の基準を持っています。文中の例で言えば「料理の味」「提供時間」です。メニューを増やすことで、味と時間に問題なければラインナップを増やすべきです。
もうひとつ余談。料理の味=品質、提供時間=納期、原価=コスト。これらをQCTと言ったりします。この価値観は、業種業態を問わず普遍的なのもですから、この三角関係のバランスを意識した上で、意思決定をされてみてはいかがでしょうか?
これだけは知っておいてほしい!
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