今年も残り数か月 「ふるさと納税」を改めて確認

個人が行う“寄附”といえば、「ふるさと納税」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。総務省の推計によると、令和元年度の「ふるさと納税」に係る控除適用者数は、全国で395.2万人。前年度の295.9万人より約100万人の増加です。利用者の増加が衰えない「ふるさと納税」について、改めて概要を確認します。

 

「ふるさと納税」の概要

 「ふるさと納税」とは、指定を受けた地方公共団体(以下、団体)へ行った暦年中の寄附のうち、2,000円を超える部分の金額を所得税や住民税から控除(上限あり)する制度です。

 この場合の「指定を受けた団体」とは、予め総務大臣へ申請を行い、指定を受けた団体を指します。つまり、寄附先が団体であればどこでも適用ができるわけではありません。

 事実、泉佐野市(大阪府)をはじめ、4団体がこの指定を受けるために申請をしたにもかかわらず、当初は指定を受けることができず、令和元年6月1日から「ふるさと納税」の利用ができなくなりました。

 しかし泉佐野市はこの不指定を不服として裁判を起こし、令和2年6月に最高裁で逆転勝訴をしました。そして、最終的に4団体は、指定を受けることができました。

 その一方で、「ふるさと納税」の返礼品を巡り問題が生じた奈半利町(高知県)は、令和2年7月23日付でこの指定を取り消されています。

 令和2年7月31日現在、この「ふるさと納税」を利用できないのは、そもそも指定申請をしていない東京都と、指定取り消しとなった奈半利町の2団体です。

 

「ふるさと納税」、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」利用者数

 「ふるさと納税」を利用するためには、原則として確定申告をする必要があります。

 ただし、確定申告をしなくとも同じ効果が得られる制度、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」(以下、特例制度)があります。

 「ふるさと納税」の利用者は、総務省の調査「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和元年度実施)」によれば、令和元年度で395万人でした。そのうち特例制度を利用した人は、162万人います。

総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和元年度実施)」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/report20190802.pdf 筆者一部加工

 ただし、「ふるさと納税」であっても、この特例制度を利用できないケースがあります。

  特例制度が利用できない3つのケース

 特例制度を利用できないケースは、次の3つです。

  1. 確定申告をする(事業や2ヶ所給与等による申告、医療費控除や住宅ローン控除等を適用するための申告がある場合など)
  2. 6団体以上に特例制度を申請した
  3. 寄附した翌年の1月1日の住所地が申請書に記載された市町村でなくなったにもかかわらず、変更の届出がされていない(原則:ふるさと納税を行った翌年の1月10日まで)

 たとえば個人開業しているドクターなどについては、当然のことながら上記1.に該当することになるため、この特例制度を利用することはできません。

 また、専従者給与の支給を受けているご家族や、医療法人の理事長あるいは理事が役員給与の支給を受けているような方で、通常であれば確定申告が不要であるものの、返礼品を目的に複数の地方団体へ寄附するような場合には、上記2.に該当しないように、つまり寄附先を5団体までに留めておくように注意しなければなりません。

 この他、日本赤十字社への義援金送付など、「ふるさと納税」には該当するものの特例制度が利用できない場合があります。

 このような特例制度が利用できない「ふるさと納税」については、原則どおり確定申告をしなければ税金を差し引いてはもらえません。確定申告を行う場合、同年中にすでに他で特例制度を利用している場合には、その分も含めて申告をする必要があります。その点もご留意ください。

 今年も全国各地で災害が発生し、「ふるさと納税」を利用して災害義援金の送金を行っている方も多いことと思います。その「ふるさと納税」が特例制度を利用できるのか否かは、確定申告をしない人にとっては重要な意味を持ちますので、十分にご留意いただければと思います。

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