今回は、「創業前に考えること」「誤った意思決定をしないために」を紹介します。
日本政策金融公庫 DreamGateプラザ コラム「誤った意思決定をしないために」
以下、本文そのまま
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日本政策金融公庫総合研究所の「2010年度新規開業実態調査」によると、開業後1年以内の企業の約7割が、創業前に目標としていた月商を下回ったという結果が出ています。
目標とする月商を下回った原因はいくつかありますが、そのうちの一つが、不十分な市場調査によるものと考えられます。市場調査が不十分であると、事業に関する意思決定において、誤った意思決定をしてしまい、正しい決定からの成果と、誤った決定からの成果の差、すなわち機会損失が生じてしまいます。機会損失をなくすためには、マーケティング・リサーチを事前に行うことが大切です。
マーケティング・リサーチとは、消費者が本当に望んでいるもの、本当に魅力を感じていただけるものを作るための情報を科学的に集め、分析し、商品計画に反映させていくことです。
新しい製品の開発やサービスを開始する場合は、消費者が求めているものの特性を明らかにするだけでは十分ではありません。適正と思われる価格を設定し、より効果的な流通経路を選択し、さらにはその製品やサービスの認知度をあげるための効果的な宣伝戦略を練ることも必要です。
マーケティング・リサーチには時間と費用がかかります。しかし、意思決定を手助けし、高い確信を持って事業を開始することができ、事業失敗の可能性を軽減することができるのです。
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マーケティングは創業前に限らず、創業後も大切にしていきたい考え方です。P.コトラーによると「プレイス(場所、立地)」「プライス(価格)」「プロダクト(商品、サービス)」「プロモーション(宣伝、広告)」が大切だとしています。これをマーケティングの4Pと言ったりしますが、もう1P加えたヒトがいます。その方が加えた1Pは「パーソナル(社長や従業員の個性)」だそうです。
マーケティングリサーチを本格的にやろうとすると、専門会社に頼らざるを得なくなり、時間と費用がかさみます。なので、自分でリサーチしてみてはいかがでしょうか。専門会社が行うリサーチとの大きな違いは文中にあるように「科学的であるか否か」。リサーチの基本は、仮説と検証の繰り返しです。調べたいヒトが思っていることの真偽を統計的に説明(理解)します。
自分でリサーチする場合、高度な統計処理の手法を知らなければ間違った結果を真(偽)としてしまいがちです。「それぢゃぁ自分でリサーチできないじゃん!」と思うかもしれません。確かに統計処理まですればその通りです。なので、自分でリサーチする場合は統計処理をしないようにします。
統計には必ずデータ(数字)が入るタイトル(箱)があります。例えば、「商店街の往来者」です。ここに「人数」を加えると「商店街の往来者数」となって、統計を取るための準備ができます。さて、「商店街の往来者数」だけをリサーチしても商売上の意味はありません。ですからここに「商店街の売上高」というデータを加えます。
統計処理の一例として「商店街の往来者数」と「商店街の売上高」に相関関係の有無を調べたりします。商店街の往来者数が増えれば(減れば)、商店街の売上高が増える(減る)場合、相関関係があります。プロが行うリサーチは、これだけでは足りません。相関関係にも強さがあります。強い相関関係があれば、「往来者数が1000名の場合、商店街の売上高は300万円になる」などが数式で表せる様になります。
自分でリサーチする場合は、ここまでのことをするのは難しいでしょう。ですから、タイトルを決めて数字を定期的に拾っていけば何となくそれに近いことを頭の中でできるようになるはずです。結局、タイトルを決められなければ、統計処理はできませんし、そのタイトルを強く意識できるのはリサーチのプロではなく、ほかならぬ事業主や従業員さん達しかいないと思う訳です。
これだけは知っておいてほしい!
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