インボイス制度の運用には事務作業が増加し、経理の負荷がかかり、特に中小企業にとっては困難な課題になっています。今まではなかったインボイスの管理、登録番号等のチェック等の問題点を解決するためには、適切なシステムやサポートが必要になります。
前回にふれた偽造インボイスは、税務調査の際に否認されるリスクを伴います。発行者が番号を偽造(番号を無断借用する等)したことであり、受領した側に違法行為はなくても、経理の際に適格と処理することで否認リスクになり得るわけです。
対策の基本は、発行者に連絡して適切なインボイスを発行してもらうことになります。違ったインボイスを正しいインボイスに差し替えることに異論はないかと思われますが、果たして正論でしょうか。放置すれば、この業者から正しいインボイスを受領することは、期待は薄いです。もしかしたら、偽造ではなくて、何らかの手違いの可能性もあります。でも、連絡等のコストを考えると、たとえ正論であってもこれでは仕事になりません。残念ながら経費が増えることになりますが、経過措置の期間中は区分記載請求書で処理していくことをお勧めします。もちろん、多額の取引や、継続的に取引している業者であれば差し替えてもらいましょう。
受け取った帳票がインボイスなのかどうかを含め、税理士事務所に全てを依頼しても入り口が改善しないので限界は明白です。社内の業務フローを作成し、教育をして誰がどこまでを確認すると定めても、機能しにくいのが現実でもあります。
準備期間が過ぎてインボイスの混乱がいつ収束するのか、電子帳簿保存法を見据えるとまだまだ不安ばかりですが、突破口のヒントはデジタルインボイスであり、早々にデジタルインボイスを受信する仕組みを構築することだと考えます。一方で紙の帳票はスキャナーで電子化して、デジタルインボイスと合わせて、AIに判定してもらってからが人の判断(経営判断を含む)になります。請求から「作業」をなくそう~今だから考えるデジタルインボイスの利活用~(デジタルインボイス推進協議会 EIPA)の動画リンクをのせますので参考にご覧ください。
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実際におこっていることは、税理士事務所に依頼しても税務顧問では解決はしません。もちろん、税務顧問はこれからも必要ですが、インボイス・電子帳簿保存法・システムの適切な運用は税務顧問で補えないことを説明してきました。小規模で税務顧問の範囲内でやりきるのも経営判断ですが、現実と今後に立ち向かうには、人の問題も含めて「経理コンサル」により業務フローからリボーンしていくことが潮流だと思います。
今回はインボイス制度対応が始まり、実際にいただいたお問い合わせとその対応についてお話ししました。最近は特にインボイス制度が始まったことにより取引先とのトラブルにかかわらずお問い合わせが増えておりますので、もしインボイス制度対応に関して不安な方はぜひお気軽にご相談ください。
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