今年(令和3年/2021年)からの変更点については現在国税庁のホームページにて「源泉所得税の改正のあらまし」が公開されていて、政府が昨年から推進している年末調整手続の電子化をさらに加速させるような内容も含まれています。
リモートワークや新しい生活様式が定着しつつあるなか、年末調整の電子化について「今年こそは!」という思いをお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、令和3年(2021年)の年末調整から適用となる新たな変更点と、政府が推奨する年末調整手続の電子化に必要な準備について解説します。
では実際に、今年から年末調整を電子化するために必要な準備を確認してみましょう。前述のとおり税務署への事前申請は不要となりましたので、今年からは準備のハードルが一段下がっています。
先ほどご紹介した「年調ソフト」ももちろん使用できますが、出力される「年末調整申告書XMLデータ」の仕様は政府から公開されているため、申告書データは「年調ソフト」に限らず、同様の仕組みを取り込んだ民間企業のソフトウェアを利用して作成することもできます。
企業によっては、現在すでに利用している給与システムの提供会社が、申告書作成ソフトの提供を開始している可能性もあります。個々の提出状況まで給与システム内で管理できれば、年末調整関連の業務はかなり楽になるのではないでしょうか。ぜひ事前に確認してみてください。
従業員からの事前承諾は特に必要はありませんが、各種控除証明書を電子データで取得・提出してもらう必要があるため、周知は早目におこなっておきましょう。全員が電子データでなくても、すべての書類が電子データでなくても受付できる旨も併せて説明すれば、従業員の不安も小さくなるはずです。
参考:【国税庁】年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するFAQ
(一部、今年の変更点が反映されていない内容も含まれます)
各種控除証明書の電子データは契約している保険会社のホームページ等から取得でき、政府が推奨する「マイナポータル連携」を活用すれば、複数の控除証明書等データの一括取得や各種申告書への自動入力も可能になります。
「マイナポータル連携」自体は必須ではありませんが、従業員の手間を確実に軽減できるのでおすすめです。ただしまだマイナンバーカードを持っていない場合、発行には現在2ヶ月ほどかかるとアナウンスされていますので、オプション的な要素として周知しておいたほうが良いかもしれません。
参考:【国税庁】マイナポータルを活用した年末調整及び所得税確定申告の簡便化
いかがでしたか?今回ご紹介した、今年の年末調整から変更される点は以下の2つです。
世の中の変化に合わせて、様々な手続きが合理的に簡略化されてきている印象を受けますね。年末調整においては、「とりあえず従業員からもらうデータを電子化できればいい」という状態であれば、国税庁から提供されている無料の「年調ソフト」を大いに活用しましょう。
ただし、提出状況の管理などの関連業務にも課題感を持っているなら、自社の課題にあったソフトウェアを探してみても良いかもしれません。いずれにしろ、「今年も電子化できなかった…」と後悔することのないよう、この機会に準備を進めてみてはいかがでしょうか。
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